「へ~。そうだったのか」とシェーファー君が言った。
トレバーがシェーファー君が部屋に入った前のフリードマン君の話と前の不思議な運転手の車に乗った話を説明した後数分だった。「そんなに簡単に信じるか」とトレバーが聞いた。「絶対信じてくれないと思ったのに。」
「いや、信じられるわけないけど、一言で壁を透過することを見た後、信じられるかと信じられないかの境界が曖昧になるんじゃないか。」
「相変わらずあまり深く考えてないな」とトレバーが少しだけ笑って言った。
「深く考えれば衝突するぞ。ここでまがるんだったっけ。」
「うん。右へ」とトレバーが言って、シェーファー君がタイヤをキーッと鳴らして右へまがった。トレバーが窓から後ろを見た。まだ誰かが追っているという気配はしなかったが、その不気味な二人は逃すはずはないと思った。
「でも、フリードマン君はお前を殺したいとは信じにくいな。どうしてだったっけ。」
「そこまで説明してくれなかった」とトレバーがちょっとイライラして答えた。「多分そのほかの人に命令されたかな。」説明は中々来てくれない状態にトレバーは自分から想像するしかなかった。
「じゃ、どうしてその人はお前を殺したいのか。」
「それは。。。想像つかないな」とトレバーが言いよどんだ。アレックサンドラ・メンデルに何かの関係があると思ったけど、そこまではシェーファー君には言いたくなかった。
シェーファー君が笑った。「そっちの母の悪口したのか、それとも。。。」
「裂け」雷のような声が鳴った。
「酒」とシェーファー君が期待して聞いた。
「。。。じゃないよ。車を止めろ。」
シェーファー君が急ブレーキを踏んで、直ぐ前で道が大きく裂けた。「出ろ」という声がして、車から出るしかなかった。
不思議な運転手とフリードマン君が車から数メートルの距離を置いて立っていた。「火」とフリードマン君が言って、車が急に炎を上げて燃えた。
「バカやろう」とシェーファー君が叫んだ。「ぶっ殺してやる。」
「ふふふ」とフリードマン君が笑った。「ソンナ車のために誰かを殺すなんて。」
シェーファー君は殴ろうとしたが、不思議な運転手が「倒れ」と言って、シェーファー君もトレバーもガンと地面まで倒れて動けなくなった。「お前とは用事がない」と運転手が真面目な声で言った。「必要なものを拾った後で処分する。そこまで黙ったいな。」ゆっくりトレバー達のところへ歩き始めた。
「これは。。。ちょっとヤベエ。。。かもしれないな」とシェーファー君が言った。
「うん」とトレバーが言った。もう一度言葉の力に頼ると思ったが、その状況に何を言うべきか思いつかなかった。
「だったら解放しろ。」
「エッ。何を」とトレバーが聞いた。
「何の話」とシェーファー君が聞いた。
「お前が言ったんじゃない、解放しろって。」
「俺は何も言ってないよ。」
「解放するしかないから速く。」
トレバーが少し考えた。シェーファー君の声じゃなかった。「じゃ、お前が解放するしかないとも言わなかったわけか。」
「言ってないけど、何か解放できるものがあれば、今のうちじゃなきゃ。」
そういうものなんかないとトレバーが思った。しかし意外にシェーファー君の言うとおりだった。速く何かしないと始末になる。石橋を叩かずに渡るような行動はいつか大きい問題になると思ったが、もう一回何の結果になるか知らず「解放」と叫んだ。
前と同じように意識を失った。その後でシェーファー君に揺すり起こされた。眩暈に立って、自分とフリードマン君立ちの間で誰かが立っていることを見た。
「今までちゃんと紹介してはいないね」と女の声が言った。振り返ってトレバーを見てニヤニヤした。トレバーは何となく少し落ち着いた。「アレックサンドラ・メンデルです。謎さんと呼んでください。」
続きを楽しみにしてください