Tuesday, April 29, 2008

ピグマリオン効果

あみのっちさんからのメッセージです。

このメンバーでのブログも、とうとう終わりが近づいてきました。
皆さん、毎週のエントリ、本当にお疲れさまでした。毎回読み応えがあって、とても楽しみにしていました。『ワンダフルライフ』のDVDを観て、私も皆さんの討論に参加した気持ちになってみたり。皆さんとは会ったことがないけれど、ひとりひとりがとても個性的で、とても素敵な人たちだということが、よくわかりました。お別れするのが残念です。

さて、私も最後にエントリする機会をいただきました。先日ある心理学者を取材したときに、面白い話を聞いたので、今日はそのことを書こうと思います。
心理学の有名な実験に、一クラスの生徒をランダムにAとBのふたつのグループに分け、Aグループは「成績が伸びるはずの子どもたち」と教師に説明し、Bグループにはとくに何も説明がなかった場合、二つのグループの生徒たちの成績はどう変化したかを調査したものがあります。
結果はどうなったと思います……? Aグループのほうの成績がアップしていたそうです。

この実験のポイントは、教師が「この子たちは伸びる!」と信じて教えていたら、本当にそれが実現したということ。教師がAグループのほうにより多く期待し、Aグループの生徒たちも期待に応えるためにがんばったからではないかなどと考えられていますが、このように考えていることが実現化することを、心理学では「ピグマリオン効果」と呼んでいます。

ちなみにピグマリオンとはギリシア神話に出てくる人物の名前で、美しい女神の彫刻に向かって「ああ、この彫刻が本物だったらいいのに」と毎日願っていたら、ある日彫刻が本物の人間になった……という話が由来だとか。

ピグマリオン効果について、学問的にはまだ解明されていない点や批判もあるでしょう。
教師の期待はともかく、勉強に対する熱意は生徒によって違うでしょうしね。
でも、ここで注目しておきたいのは、「考えていることが実現化する」ということです。これは個人に対しても言えることで、「自分はやれる! できる! と100%信じきることが、目標達成の第一条件だ」とも心理学の先生は言っていました。

人間は誰でも、悪いことを拡大解釈し、いいことを過小評価する傾向にあります。試練にさらされているときは「自分はダメなんだ……」と思ってしまいがちですが、そんなときこそ「いやいや、まだまだチャンスはある! 壁は突破できる!」と、いい自己暗示をかけることが大切なんですね。

皆さんはこれから社会に出て、幾多の苦労を経験するかもしれません。
ぜひ自分をほめ、励ましながら、難局を乗り切ってください。
私も、皆さんの幸せを、それぞれの場所でご活躍なさることを、信じています。
……そう、これも「ピグマリオン効果」です。