Monday, October 1, 2007

狂った果実

黒澤監督、小津監督、溝口監督は日本映画の三大巨匠と呼ばれています「七人の侍」と「東京物語」と「雨月物語」のような名作のおかげで、50年代に日本映画が始めて世界舞台で認められるようになりました。映画の古典ですから、見たことないなら、是非見てください。

今回、上記の一流映画ほど知られていない同時代の日本製の映画を紹介したいと思います。1956年に公開された「狂った果実」と言う映画です。

50年代に少年非行は世界中の映画の主なテーマとなりました。アメリカでは「理由なき反抗」などの影響で、大人の世界に対する不信感を表示している若者向きの映画が多くなってきました。

「狂った果実」は同じように、戦後の日本の世代の断絶を表します。以前の日本の主人公は反社会的な行動をしなかったそうですけど、この映画の若い登場人物は親の教訓を馬鹿にして、社会のルールを破ります。昔の映画になかった高揚した性的関心や暴力も「太陽族」というジェンルの特徴でした。

あらすじ:

原作は現代東京都知事石原新太郎の同名の小説でした。夏久(石原裕次郎、作者の弟)と春次(津川雅彦)がお金持ちの若い兄弟。切符を買わないで電車の改札口を飛んで鎌倉駅に入るのが二人の初登場です。行き先は浜辺にある夏久の大学友人の別荘です。電車の中の会話で、女をよくナンパする夏久と純粋な春次の違う性格が分かってきます。到着駅で春次が恵梨(北原三枝)とぶつかって一目惚れします。でも、不透明な恵梨はどんな秘密を持っているのか?夏久の競争心は弟の初恋を奪うほど強いですか?



感想:

*中平康監督の面白いイメージや編集と俳優のカリスマでB級の内容を超えます。ただの社会問題の映画よりも、当時のムードや青春の切望を面白く描写します。ジャズ音楽のサウンドトラックもいい雰囲気を醸し出して、登場人物の激しい気持ちを表します。

*性的関心が高まっていると言ったけど、現代の映画のようになんでも露骨に見せちゃうというわけではない。監督が工夫を入れて間接的にぞくぞくした空気を作ります。

*津川雅彦の中年時代以降の映画しか見たことのない私は若い時の格好良さにちょっとびっくりしました。非常にハンサムだった!

機会があれば「狂った果実」を見てください。(セントルイス郡の図書館にあるよ!)

9 comments:

Sohyun Chun said...

amyサン~本当に有益なエントリでした。今からもずっと日本の映画についてのアミさんのコメントが聞きたいです。お願いします~!私はあまり日本の映画を見る機会がありませんでしたが、とんとん見るつもりです。

Wordsman said...

マイケルさんは日本の映画のエキスパートでしょうか。凄いですね。僕は二本ぐらいしか日本の映画見ていないけど、勉強になるからいつかもっと見たいです。

Aridome said...

この映画のことはもちろん知っていましたが、みたことはありませんでした。原作も読んでいません。これまで、この作品に興味を持ったことがなかったのです。ただ、知識として「太陽族」の映画だというのがあっただけです。でも、このエントリーを読んで、みてみたくなり、早速アマゾンで注文しました。

「B級映画を超えている」というマイケルさんの一言に動かされたのと、改札口を飛び越えて駅の構内に入る若き裕次郎と津川を、ふと、みてみたいと思ったからです。

Lawrence said...

すごく面白そうじゃん!私は日本の昔の映画の事はほとんど知りません。見たのは黒澤監督の作品しかないっす。でも私も、このエントリーを読んだら興味になったもんですね!日本映画が大好きですけど、大部分は現代の映画です。

(では、次のエントリー...)

Chang, Dae Young said...

マイケルさん、こんな古典の映画はどこで買えますか?

明君 said...

古い映画ですねぇ!中国では、黒澤明の作品が一番人気があると思います。たとえば、乱れるとか

あみのっち said...

Amyさん、通ですねえ~。
この映画が公開された1956年は、第二次世界大戦が終わってから11年目にあたる年。
経済白書では「もはや戦後ではない」と表現され、日本の高度経済成長期を象徴するような太陽族が、銀座や湘南にあふれた時期だったんですよね。
「狂った果実」という映画は、日本が敗戦国から経済大国への道を歩み始めた瞬間を切り取ったような映画で、当時の風俗や気分をよくあらわしていると思います。わけわからんエネルギーが満ちていたんだなあ~と……。

mizube said...

おはよう!

チャンさん、セントルイス郡の図書館では色んな映画があるから、DVDはあまり買いません。

ケーブルテレビでもたまに日本の映画が観れます。黒澤監督の作品が多いいけど、なぜか分からない、「天と地と」と言う映画は毎週放送されているようです。(中年代の津皮雅彦は「天と地と」の主な役を演じています。)

あみのっちさん、説明をありがとうございます。古い日本の映画で、他にお勧めがありますか?

あみのっち said...

映画好きのamyさんならもうご覧になっているかもしれませんが、やっぱり小津安二郎監督の映画をおすすめしたいです。
「東京物語」、「秋刀魚の味」あたりなんかいかがでしょう。
普通の人たちの、普通の暮らしを淡々と描いているのですが、いろいろなことをしみじみと考えさせられます。
俳優さんたちの演技もいいんですよ。とくに女優さんたちは、台詞や動作が美しいんですよね。

あとは……「男はつらいよ」シリーズならaridome先生がかなり詳しいはず。