Wednesday, October 31, 2007

善の派に戻って。。。

今日は、皆さん。いつものように、話の続きです。今度は少しアドバイスがあるんですが、この部分で登場する「所長」という人物の台詞は、理解しようと時間を無駄遣いしないほうがいいと思います。後で分かると思います。あ、もう一つの事は、今度もラブシーンになりません。悪いけど、時々読者の期待を裏切るのは作家の仕事です。許してください。


米国中西部中央言霊研究所はそんなに大した場所には見えなかった。一階建てだけで、何の目立つ事もなくて、二軒のアパートの間に詰め込んだようだった。外から見ると、ただの小さい診療所にしか見えなかった。トレバーは秘密を守る為に外見はつまらなくされているけど中には何か凄い物があるはずだと思ったが、やはり見損なった。床はべたべたで、黄色っぽいな電気は点滅していて、少し古くてかびだらけの本で臭かった。

「何をするか、ここに」とトレバーがはげかけたペンキを見ながら聞いた。

「当たり前じゃない」と謎さんが皮肉な声で答えた。「言霊を研究する。」

「僕は馬鹿かもしれないけど、それはもう分かった」とトレバーは皮肉の競争を始めるように言った。「具体的に何の研究か。」

「色々な事をする」と謎さんが返事した。まだあまり説明したくないような顔をしていたが、何の説明でも貰うのにトレバーが感謝した。「ある言葉に何の力があるの研究、どの解放の方法が一番効果的かという調査、言葉を組み合わせてどうなるという研究。言霊使いも養成する。」

「じゃ、僕も言霊使いの教育をするか」とトレバーが好奇心強く言った。

数秒考えて、「まぁ、時間があったらそうするかもしれない」と謎さんが答えた。

トレバーはしばらく思案した。言霊使いになれるかと思った。物凄い魔術を使って悪と戦う空想に耽って、他の人にぶつかった。

「おい」謎さんが少し怒って言った。「注意しろ。所長に衝突したよ。」

非常に恥ずかしいことだった。まだ紹介さえしていないままで所長に知らずにぶつかったか。信じられない馬鹿だと思った。そしてその人の顔はボーっとしたように見えたから、トレバーはあまりにも屈辱と感じて話せなかった。

その表情を見ると、謎さんはちょっとだけ笑った。「大丈夫だよ」と慰める為に言った。「いつもそういう顔をしている。お前とは関係ない。」

トレバーは少しまごまごしていたが、反射神経的に紹介した。「始めまして。ベン・トレバーと申します。よろしくお願いします。」

その所長が呆然とした目でトレバーを見て、「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ」と言った。

今度はトレバーが呆然した。「すみません」と聞いた。

謎さんがくすくす笑った。「あ、言い忘れた。所長は今文語しか話していない。もっと力があるかどうかという問題を研究しているそうだ。私は大切な部分を通訳するから、聞かなくてもいいです。」

「分かった」とトレバーが本当に分からなかったような声で言った。まだ所長に褒め言葉など言う必要があると思って、「えっと、言葉の様々な面白い力を研究なさっていますね」ともじもじして言った。

「力も入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり。」

まだニヤニヤ笑って、「止めたほうがいいよ」と謎さんが言った。それから行き成り無表情な顔を再び付けて、「悪いが、ここでふざける時間がない。その紙に何の力があるかということを早く発見しなくてはならない。お前を機械に入れる。」

トレバーの体が凍り付いた。半時間前に誰かが撃とうとしていたが、それより無名な機械に入れられるのは遥かに怖かった。「あの~、紙をその機械に入れたほうがいいちゃう」とゾッとして言った。

「さまざまの御祈はじまりて、なべてならぬ法ども行はるれど、更にそのしるしなし」と所長が言った。

「それはどういう意味か」と少しパニックになっていたトレバーが聞いた。

「それはもうしたが結果は出せなかった」と謎さんが説明してくれた。「お前を入れるしかない。」

まだゾッとして、トレバーは謎さんに廊下を引っ張られていた。平家物語や方丈記を読んでいればその恐怖という感情から離れる事が出来たかもしれないが、残念ながら日本の古代文学に興味がなかったからそういう物を一度も読んだ事なかった。

「あの~」とトレバーは自分を落ち着かせようとするように言った。「何の機械だろうか。」

トレバーに向かずに、「頭の中を探索する機械だ。「私をお前の頭に入れて、そこでその紙に書いてある事の事実を発見できるはずだ。」

逆効果。女が頭の中に入るかとトレバーが目を丸くして尚更パニックして思った。「いや、それは一番心地よくない事だけど」と抗議したが、筋立てに反抗できないと分かって、黙ってこの先関係者以外立入禁止と書いてあったドアまで引っ張られた。



続きを楽しみにしてください。

8 comments:

mizube said...

今度もラブシーンがないってことは、いずれラブシーンかあるという意味ですか。

明君 said...

今日はHallow's Eveですねぇ。
この時、言霊など話を聞いて、何か不気味な感じが出てきます。

Sohyun Chun said...

“先関係者以外立入禁止”ということが付けているドアの中には何の秘密が隠れていますか?トレバーさんは想像力が高いですね~~^^*(先生~、想像力は、高い?、強い?、よい?の中で何を使えるんですか?)

Aridome said...

げ〜っ、機械でトレバー君の頭の中が調べられてしまうんですか?どんな機械なんだ?あ、でも、ひょっとして、機械とは言いながら、全然機械らしくないものだったりして。

「想像力」という言葉なのですが、想像力が高いや想像力が強いという形では、私は使わないと思います。想像力が豊かで使うような気がします。これは私の感覚です。検索すると、想像力が強いという言い方もずいぶん見つかりました。でもこの言い方は、私には抵抗があるんです。あみのっちさんどうでしょうか。

あみのっち said...

今度は平家を暗唱する所長が登場ですね! 所長、なかなか日本通だなあ。
この後トレバーさんがどんな機械にかけられるのか、ちょっと心配。記憶を失ったりしないでね。でも、「謎美さんLOVE」とかって機械が読み取ったら面白いなー。

“想像力が強い”とは、私も言わないです。
aridome先生の言うとおり、「想像力が豊か」が一般的だと思います。
あと「想像力がたくましい」という表現もあります。こちらだと、“想像力が強い”に近いニュアンスかな?

Sohyun Chun said...

やはりそうですね。。。先生、あみのっちさん!ありがとうございます。もう少し、考えて見ると、韓国でも想像力が豊かだと言っています~^^;;;

Lawrence said...

今週のエピソードはまだ読むチャンスないけど、コメントを間に合うために取りあえずこれだけ書きます。読んでからまたコメントしますね。すみません。

Lawrence said...

面白いですね!トレバーさんの小小説も、想像力って話も。

読者を裏切ったというわけではないですね。毎回読んだら、好奇心が上がりますからね。

次回はラブシーン?...笑