Monday, February 11, 2008

アフター・ワンダフル・ライフ ・ その弐

この映画のテーマは、もちろん、幸せです。幸せと...なんでしょうか。

何回か大事なシーンは公園のベンチで行われます。例えば、「そこそこ」の人生をした渡辺さんと「まったく選ぶ意志がない」と言った伊勢谷くんは死後局の外にあるベンチで会った時。ベンチの回りを歩く伊勢谷くんは思い出を選ばないことが自分の人生の責任の取り方と言います。それを聞いて、渡辺さんは幸せと責任の関係を考えて、思い出を選べるようになります。彼が選ぶ思い出は中央公園のベンチで奥さんと一緒に座った時です。


(万が一、この映画を見たことない人がこのエントリーを読んだら...)

**ネタバレ注意**


奥さんも中央公園のベンチに座っている思い出にしたけど、相手が望月さんでした。望月さんが彼女のビデオを見たおかげで、彼女の幸せの瞬間に重要な役割となったことをやっと気付きます。人の幸せに参加することも幸せだということを悟ります。

それで、そのベンチの意味とこの映画の主なテーマは責任ではないでしょうか。自分の幸せを認める責任と外の人の幸せに深く関わる責任です。

もう一つの重大なテーマは思い出の作成です。思い出す時、何処に意味をつけるか、何を忘れるかを監督のように決めますね。でも、あなたの思い出は総てあなたのモノですか。または、映画のように外の人と一緒に作る集合記憶ですか。 

7 comments:

Anonymous said...

なるほどね~。確かに、“人ごとでもそれ(幸福を実感することについて考えること)はよいものだ”と「幸福の瞬間」にも書いてありましたよね。他人の幸福でも、それは貴重な思い出と言うことをこの映画で再確認させられました。人が幸福になれる様に手伝うことも、自分が幸福になる方法の一つだと思います。ベンチの付近で幾つもの大切な場面が繰り広げられたことも相当鋭い観察ですね。言われれば「そうだったな~」と思えますが、決して自分でそれに気付くことはありませんでした。何でベンチなんでしょうね。

Wordsman said...

確かに幸せはただ自分の物ではなく他の人と関係があることはこの映画の大切なテーマの一つだと思います。特に映画の最後のところで望月さんの話が強くフォーカスになったから、是枝監督はそのポイントを強調したかったと思います。

Sohyun Chun said...

アミさんがよい意見を沢山書いたので、明日私はどうすればいいのか。。。悩んでいます~^^;;;

Aridome said...

いや~、マイケルさん、すごいなあ、本当に。先週で、もうネタが尽きちゃったよとか言ってたのに、まだまだだったんですね。「責任」と「ベンチ」かあ。すごいキーワードが飛び出しましたねぇ。「ベンチ」のことは、この映画を何度も観ている私も、見逃してしまっていた点ですよ。素晴らしい問題提起です。これをもっと深めてみてもらいたいですね。

チュンさん、確かにこれは素晴らしいエントリーですが、競争ではないので、心配は要りません。チュンさんにはチュンさんにとって切実な問題があるはずです。それをじっくり見つめて感想を書いてみてください。(というか、もう書いていたりして)チュンさんのエントリー楽しみにしています。

明君 said...

ところで、先中国同窓会が行っている忘年会へ行きました。
そこに、他の友達を助けって、飲み物を配りました。
「有難う」と言われてくれる時、本当に幸せですよ。論文など宿題がまた、あるだけど、全く大学の時を戻りました。

Lawrence said...

そうですね。自分の幸せという記憶は何と作成されるか、詳しい事をはっきり思い出せないかもしれません。当日の天気とか、着ていた服とか。。。そういう事なんか、当日に「詳しく覚えとかないとダメ」と考えないから、すべてを思い出せなくてしょうがないじゃないでしょうか。

あみのっち said...

ベンチのことは、気がつかなかったなあ。大事なことは、ベンチで起こる……これって、この映画だけじゃない真理かも!?

ところで、
>自分の幸せを認める責任
って、なかなか深い言葉だと思います。謙虚な気持ちや感謝の気持ちがないと、認められないんだよね。。