Sunday, March 23, 2008

孤独感:村上春樹の外の小説

今日のエントリーは多分短くなるけど、すみません。『午後の最後の芝生』で孤独感の雰囲気が強いって話がありましたね。そういう雰囲気が村上春樹の特徴だと思います。翻訳の授業でもう一つ村上の短編小説を翻訳してますが、そこでも孤独感が物凄く高いです。『青が消える』という短編小説は以下の短歌に基づいて、ガールフレンドとの喧嘩別れについての話です。

白鳥は
哀しからずや
空の青
海のあをにも
染まずただよふ
(若山牧水、1885年〜1928年)

村上春樹はやはりこの短歌に感動して、その感情を表すために、『青が消える』を書いたんじゃないだろうと思います。それから、この二つの短編小説だけじゃなく、村上の全ての小説で孤独感が強いですよね。自分の好きな『トニー滝谷』という小説も全く同じです。『トニー滝谷』は映画化されたものもありますが、したの予告編を見てみてください。



勿論、寂しい話なんだけど、村上はその孤独感を完璧に描写出来るので、素晴らしい作家だと思います。ま、いっか。村上についての話はもう嫌になったかもしれないから、ここまでにしたらいいでしょう。でも、『トニー滝谷』はなかなか良い映画だと思うので、興味があれば見てみてくださいね。

さてさて、数週間前に紹介した川名由紀という東京に住んでいるギタリスト(去年に出来た友人)はライブをやったりするために4月末にセントルイスに来るって事になりました!授業か金曜会かに訪ねられるといいでしょう!本当に嬉しいです。楽しみにしています。

6 comments:

mizube said...

『トニー滝谷』は長編映画または短編映画ですか。

友達を是非連れて来てください。ライブの情報も頂戴!

Wordsman said...

去年授業のために『トニー滝谷』を読んで映画も見ました。やっぱりそれも村上らしいと思って主人公のトニーはもう一人の「僕」でした。トニーは大体独りでした。人間関係は苦手。一つのこと(今度は芝刈りじゃなく描くことだった)にはまって人生を過ごします。まあ、一方を選べば『午後の最後の芝生』よりましだったけど、中々気に入りませんでした。気に入ったことは最初の文章だけだった:「トニー滝谷の名前は本当にトニー滝谷だった。」

川名さんを楽しみに待っています。

Anonymous said...

私は人と一緒にいた方が落ち着くタイプなので孤独なのはちょっと・・・(^.^;)例の「トニー滝谷」は面白そうですね。予告の映像を見ながら自然と背景の音楽が耳に入ってきて、何だか親しみを感じるメロディーに「何でだろう?」と思った途端「音楽 坂本龍一」が画面に出て来ました。私の中には、「Merry Christmas Mr. Lawrence」や「The Last Emperor」のサントラから「Asience」のコマーシャルの曲までと幅広い分野の音楽を作っている坂本龍一は、宮崎駿の作品の作詞作曲・久石譲に引けを取らない天才だと思います。彼が「トニー滝谷」の制作に参加したと言うのであれば、絶対悪い映画ではないと思います。今度、機会があれば是非観てみたいです。

Aridome said...

以前デニスさんに勧められて、この映画観ました。ちょっと女々しすぎる感じはしたけど、そんなに悪くはなかったと思う。坂本の音楽がとてもきれいだった。i-tunesでサントラを買ってよく聞いています。

明君 said...

村上さんの小説がちょっと抽象的なものですから、映画されることはきっと難しいと思っています。
翻訳の授業ですか、面白いみたいです。今度詳しく教えてくれませんが?

川名由紀さんを楽しみに待っています。

あみのっち said...

この映画、村上春樹が原作だって知らなかった!
村上春樹の小説はたくさんあるけど、あんまり映像化されていないんですよね。なんでかな。作家本人が、自分の小説のイメージを大切にしたいからかなあ。
そう考えると、この映画のキャスティングやシナリオは、村上春樹も納得したってことですね。