Monday, March 31, 2008

音楽+映画: 『御法度』

先週、デニスさんが『トニー滝谷』という映画を紹介してくれたブログのコメントで、カバロさんがサウンドトラックの担当は坂本隆一だったと指摘してくれました。私は最近繰り返し見ている『御法度』という映画のサントラの担当も坂本氏だったので、それをはじめとして、今後数週間のエントリーでは「音楽を上手に使っている映画」について書こうかなと思っています。

『御法度』の粗筋:

舞台は1865年の京都です。加納惣三という美男が剣の腕で新撰組に入ろうとしている多くの志願者から選抜されます。加納君の他に入隊する者は田代彪という下級武士だけです。入隊早々、田代君から続けて、色んな男が加納君に言い寄って来ます。流れている噂を聞く副長の土方歳三が既存の秩序は脅かされる恐れがあると悩みます。加納君を口説こうとした隊士湯沢次郎が誰かによって殺されたら、当然の不安であるように見えます...

この音楽はこの映画にぴったりだと思います。加納惣三郎のように不気味に綺麗ですし、最初の鐘の音とずっと聞こえる時計のチクタクという音は性と死の題を微妙に示唆します。

* * *

下のシーンでは土方さんが加納君と田代君が「出来ている」かどうかを確かめようとしています。このシーンの直前に、土方さんは自らそれぞれと戦って、やっぱり「田代は加納惣三郎より一段は落ちる」と判断します。そして加納君と田代君を立ち合わせます:

土方さんが加納君のわざとらしい負け方を見て、「こいつら、出来たな」という結論に達しますが、本当にその通りですか。音痴の私は音楽をあまり詳しく分析できないが、渦巻きのように聞こえる弦楽器とだんだん強めるテーマは別の事実を反映していると思います。この映画の面白いところは色んな解釈が可能ですが、坂本氏の音楽的な手掛かりが理解するための大事なヒントを与えると思います。

* * *

ボーナスビデオ:

ところで、大島監督の情報を探す時に、このテレビ番組を見つけました。全く『御法度』に関係がないですが、面白い「アメリカ人から見た日本の映像」がありますので、皆さんに見せたかったです。

7 comments:

Wordsman said...

このBGMは面白そうですね。見てみたいです。でも、芸術的な映画に苦手な私には、カンヌで出た映画は無理かもしれませんね。

Aridome said...

この映画知らなかったんですが、大島渚っぽいテーマですね。『戦場のメリークリスマス』と私の中でなんとなく重なる感じがします。

坂本龍一の音楽がいいですね。「時計のチクタクという音が生と死のテーマを示唆している」というのはおもしろい意見ですね。

加納君役の松田龍平は、私の大好きな故・松田優作の息子なんだね。龍平の演技はこれまでみたことはなかったけれど、優作はすごい俳優だったよ。

Sohyun Chun said...

素晴らしい~~剣道している男たちの様子が格好いいですね~~^^;; 私も剣道を習いたがったんですが、初めは只姿勢だけ3ヶ月間習うので、残念ですが、つまらなくてやめてしまいました。。。

明君 said...

この映画が中国でも非常に有名です。
これは同性愛を描写する映画ですが?
男色のことですが?男の動作が格好いいですね。

Lawrence said...

今図書館にいるので、ビデオを見ちゃいけないけど、帰宅してから必ず見てみます。面白そうですね。外の「音楽を上手に使ってる映画」も是非教えてください!

Anonymous said...

うわ~!!!私は坂本龍一の大ファンでありながら、新撰組も超大好きなのでこの映画を絶対に観なければならん!!エイミさん、この映画のことを教えて下さり、有り難き幸せで御座る (^o^)!!!

あみのっち said...

大島渚監督と坂本龍一の関係は、「戦場のメリークリスマス」が発端だったんですよね。そして戦メリで、坂本龍一は映画音楽の作曲家としても世界的に認められることになったのでした。映画の主役としても出ていますが、こちらのほうはかなりダメ……。

大島監督は、「御法度」以降、病気で映画を撮っていないんです。残念だなあ。戦メリも御法度も、男の世界の恋愛話。こういう、ちょっと変わった映画を撮るのが上手な監督だと思います。よかったら「戦メリ」も見てみて~!